ドバイ不動産と税金:海外在住者向け完全ガイド — Dubai real estate
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ドバイ不動産と税金:海外在住者向け完全ガイド

ガイア・リビングの加藤結衣です。ドバイで初めて不動産を購入されるお客様をご案内する中で、最も多く寄せられる質問の一つが「税金」に関するものです。「ドバイは無税の国」という言葉が一人歩きし、全てがシンプルだと考えられがちですが、特に日本を含む海外にお住まいの方がドバイに不動産を所有する場合、その現実は少し複雑です。ドバイでかかる費用と、ご自身の居住国で発生する納税義務。この二つを…

加藤 結衣 — portrait
2026年9月18日 · 読了時間22分

ガイア・リビングの加藤結衣です。ドバイで初めて不動産を購入されるお客様をご案内する中で、最も多く寄せられる質問の一つが「税金」に関するものです。「ドバイは無税の国」という言葉が一人歩きし、全てがシンプルだと考えられがちですが、特に日本を含む海外にお住まいの方がドバイに不動産を所有する場合、その現実は少し複雑です。ドバイでかかる費用と、ご自身の居住国で発生する納税義務。この二つを正しく理解することが、安心して資産を築くための第一歩です。

この記事では、ドバイ不動産投資における税務の全体像を、分かりやすく、そして実用的に解説していきます。

本記事で解説する内容はこちらです:

  • ドバイの不動産関連税制の全体像
  • 不動産購入時にかかる一度きりの費用と税金
  • 所有中に発生する費用:固定資産税は本当にかからないのか?
  • 不動産売却時のキャピタルゲイン税の扱い
  • 賃貸収入に対する課税ルール
  • 相続と贈与:ドバイの非イスラム教徒向け法律
  • 日本の居住者が特に注意すべき税務上のポイント
  • 税務戦略の基本:法人設立のメリット・デメリット

ドバイの不動産関連税制の全体像

まず大前提として、ドバイを含むアラブ首長国連邦(UAE)には、個人の所得に対する連邦レベルでの所得税が存在しません。これが、「ドバイはタックスフリー」と言われる最大の理由です。つまり、給与所得、利子所得、そして個人が不動産投資から得る賃貸収入や売却益(キャピタルゲイン)に対して、ドバイで所得税を支払う必要は基本的にありません。この点は、多くの投資家にとって計り知れない魅力となっています。

しかし、「税金が全くない」と考えるのは早計です。ドバイの税制は、直接税(所得税など)がない代わりに、間接税や取引に関する手数料という形で歳入を確保するモデルを採用しています。不動産取引においては、これが特に顕著です。例えば、物件の売買契約が成立する際には、必ずドバイ土地局(Dubai Land Department, DLD)に譲渡登記料を支払う義務があります。これは税金という名称ではありませんが、実質的には取引にかかる税と考えるべき重要なコストです。

さらに、2018年には付加価値税(Value Added Tax, VAT)が導入されました。税率は5%で、日本の消費税に似た制度です。不動産取引においては、居住用物件の初回売買はゼロ税率ですが、商業用不動産の売買や賃貸、不動産仲介手数料などのサービスにはVATが課されます。また、2023年6月からは法人税も導入されました。個人名義での一般的な不動産賃貸収入は対象外とされていますが、事業として大規模に行う場合などは課税対象となる可能性があり、その線引きは専門的な判断を要します。このように、「ドバイ=無税」という単純なイメージではなく、「どの所得に、どの取引に、どのような費用や税がかかるのか」を正確に理解することが不可欠です。

日本の感覚でいう「所得税」「住民税」「固定資産税」「相続税」といった主要な直接税が個人にかからない。これがドバイの最大の税務上の特徴です。しかし、取引ごと、サービスごとに発生する手数料や間接税の存在を忘れてはいけません。

ドバイで不動産を購入する際、物件価格以外にいくつかの初期費用が発生します。これらを事前に把握し、資金計画に織り込んでおくことは、スムーズな取引の鍵となります。日本とは費用項目や料率が異なるため、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。

最も大きな割合を占めるのが、前述したドバイ土地局(DLD)への譲渡登記料(Transfer Fee)です。これは物件価格の4%と定められており、通常は買主と売主で2%ずつ折半する慣習がありますが、交渉によっては買主が全額負担することも少なくありません。特に新築のオフプラン物件の場合、デベロッパーがプロモーションとしてこの4%を負担してくれるケースもありますが、基本的には買主が負担する費用として予算に計上しておくべきです。例えば、200万AEDの物件であれば、8万AEDが登記料となります。これは取引の安全性を保証し、所有権を法的に確定させるための重要な費用です。

譲渡登記料に加えて、DLDへの登記手続きにかかる管理手数料(Admin Fee)も必要です。これは物件価格に応じて変動し、50万AED未満の物件で2,000 AED + VAT、50万AED以上の物件で4,000 AED + VATとなります。さらに、物件の所有権証書(Title Deed)の発行手数料として約580 AEDがかかります。これらは比較的少額ですが、忘れずにリストアップしておく必要があります。

不動産仲介会社を通じて物件を購入する場合、仲介手数料(Agency Fee)が発生します。これは通常、物件価格の2% + VATが相場です。私たちガイア・リビングのような買主側のエージェントは、物件探しから価格交渉、契約手続き、DLDでの登記まで、買主様の利益を守るために専門的なサポートを提供します。その対価として、この手数料をいただいています。200万AEDの物件であれば、4万AED + VAT(2,000 AED)が仲介手数料の目安です。

では、実際に200万AEDの中古アパートメントをドバイ・マリーナで購入するケースを例に、具体的な初期費用をシミュレーションしてみましょう。

  • 物件価格:2,000,000 AED
  • DLD譲渡登記料 (4%):80,000 AED
  • DLD管理手数料:4,000 AED + VAT (200 AED) = 4,200 AED
  • 所有権証書発行手数料:580 AED
  • 不動産仲介手数料 (2% + VAT):40,000 AED + 2,000 AED = 42,000 AED
  • 合計初期費用:126,780 AED

このように、物件価格の約6-7%が初期費用として別途必要になる計算です。住宅ローンを利用する場合は、さらに銀行の審査手数料や物件評価費用などが加わります。これらの費用は全て、契約から登記までの短い期間に支払う必要があります。資金計画を立てる際は、物件価格だけでなく、これらの付随費用を必ず含めるようにしてください。

所有中に発生する費用:固定資産税は本当にかからないのか?

「ドバイには固定資産税がない」という話は、厳密に言えば事実です。日本のように、毎年自治体から納付書が送られてきて納税する、という形の固定資産税・都市計画税は存在しません。これは、不動産を長期保有するオーナーにとって大きなメリットと言えるでしょう。しかし、それに代わる実質的な負担がないわけではありません。

不動産を所有している限り、必ず発生するのが「サービス料(Service Charges)」です。これは、日本のマンションにおける管理費や修繕積立金に相当するもので、共有部分の維持管理費用を全オーナーで分担する仕組みです。エレベーター、プール、ジム、ロビー、駐車場、警備、清掃、景観維持など、快適な生活環境を保つためのあらゆる費用が含まれます。サービス料は、物件の広さ(平方フィートあたり)に応じて年額が計算され、通常は3ヶ月または6ヶ月ごとに前払いで徴収されます。この料金は、コミュニティのグレード、アメニティの充実度、建物の築年数などによって大きく異なり、ドバイ土地局(DLD)のウェブサイトで各プロジェクトの承認済みサービス料を確認することができます。

具体的な相場としては、比較的アメニティがシンプルなコミュニティ、例えばJVC(ジュメイラ・ビレッジ・サークル)などでは1平方フィートあたり年間12~18 AED程度ですが、ビジネス・ベイダウンタウン・ドバイの高級タワーマンションになると22~30 AED以上に達することもあります。例えば、1,000平方フィート(約93平方メートル)のアパートメントでサービス料が年間20 AED/sqftだとすると、年間の負担額は20,000 AEDとなります。このサービス料を滞納すると、DLDへの取引申請(売却や賃貸など)がブロックされる可能性があるため、支払いは義務です。物件を選ぶ際には、価格や利回りだけでなく、このランニングコストを必ず確認することが重要です。

もう一つ、固定資産税に代わるものとして挙げられるのが「住宅費(Housing Fee)」です。これはドバイ市が課す料金で、ドバイ電気水道局(DEWA)の請求書に上乗せされる形で徴収されます。実質的には地方税のようなもので、インフラ維持などの財源となります。賃貸物件の場合は年間賃料の5%、自己所有の居住物件の場合は、RERA(不動産規制庁)が定める賃料評価額の0.5%が課されます。例えば、年間賃料が12万AEDの物件を貸し出している場合、その5%である6,000 AEDが住宅費となり、月々500 AEDがDEWAの請求書に追加されます。これはテナントが支払うのが一般的ですが、契約によってはオーナー負担となることもあります。ご自身で居住する場合は、評価額に応じた負担が発生します。固定資産税という直接的な名称ではないものの、こうした形でインフラ維持のための費用を住民が負担する仕組みが整っているのです。

不動産売却時のキャピタルゲイン税の扱い

ドバイ不動産投資の最大の魅力の一つが、売却益(キャピタルゲイン)が非課税である点です。例えば、200万AEDで購入した物件が数年後に300万AEDで売却できたとします。この差額の100万AEDに対して、ドバイでは所得税がかかりません。利益の全額が手元に残るというのは、キャピタルゲインに対して20%以上の税金がかかる多くの国々と比較して、非常に大きなアドバンテージです。

この非課税の恩恵は、個人の投資家が所有する居住用および商業用不動産の両方に適用されます。これにより、投資家は短期的な価格上昇を狙ったフリッピング(転売)や、長期的な資産価値の上昇を目指す戦略を、税負担を気にすることなく追求できます。特に、エマール・プロパティーズが開発するドバイ・クリーク・ハーバーや、ナキールが手掛けるパーム・ジェベル・アリのような大規模な新開発エリアでは、将来的なインフラ整備やコミュニティの成熟に伴う資産価値の上昇が期待され、キャピタルゲイン非課税のメリットを最大限に活かせる可能性があります。

しかし、ここで最も重要な注意点があります。それは、あなたが税務上の居住者である国(例えば日本)の税法です。ドバイで非課税であっても、日本の居住者が海外の資産を売却して得た利益は、原則として日本の所得税(譲渡所得)の課税対象となります。つまり、ドバイでの取引で得た100万AEDの利益は、日本で確定申告を行い、所定の税率で納税する義務が発生するのです。これは「全世界所得課税」という原則に基づいています。

このルールを知らずにドバイでの利益を申告しなかった場合、後に日本の税務当局から指摘を受け、延滞税や加算税といった重いペナルティを課されるリスクがあります。海外資産に関する情報は、共通報告基準(CRS)などの国際的な枠組みを通じて、各国の税務当局間で交換されています。ドバイの銀行口座への送金履歴などから、資産の売却が明らかになる可能性は十分にあります。「海外での取引だからバレないだろう」という安易な考えは非常に危険です。ドバイ不動産の売却を検討する際は、必ず事前に日本の税理士に相談し、納税額のシミュレーションや申告手続きについて確認することが不可欠です。ドバイでの税務メリットを享受しつつ、自国での法的義務を遵守すること。この両輪が、健全な国際不動産投資の基本です。

賃貸収入に対する課税ルール

ドバイで不動産を所有し、それを賃貸に出して家賃収入(インカムゲイン)を得る場合、その税務上の扱いはどうなるのでしょうか。キャピタルゲインと同様に、個人が受け取る賃貸収入に対しても、ドバイでは所得税がかかりません。年間12万AEDの家賃収入があれば、その12万AEDがそのままオーナーの収入となります(サービス料などの経費は除く)。これは、安定したキャッシュフローを求めるインカムゲイン狙いの投資家にとって、非常に魅力的な環境です。

ただし、ここにも注意すべき点がいくつかあります。まず、2018年に導入されたVAT(付加価値税)です。居住用物件の賃貸はVATの対象外(Exempt)ですが、商業用物件(オフィス、店舗など)の賃貸は標準税率5%のVATの課税対象となります。つまり、商業用物件のオーナーは、テナントから家賃と共にVATを預かり、連邦税務局(FTA)に申告・納税する義務があります。また、ホテルアパートメントのようなサービス付きの短期宿泊施設も、商業活動とみなされVATの対象となります。ご自身の物件がどのカテゴリーに属するかを正確に把握することが重要です。私たちのような不動産会社は、こうした税務上の分類についてもアドバイスを提供しています。

次に、2023年6月から施行された法人税です。この新税制では、年間利益が375,000 AEDを超える法人に対して9%の税金が課されます。UAE政府は、「個人がその個人的な立場で、事業(Business)または事業活動(Business Activity)のライセンスを必要とせずに行う不動産投資から得られる所得」は法人税の対象外であると明言しています。つまり、個人名義で1~2戸の居住用アパートを貸し出しているような一般的なケースでは、賃貸収入は非課税のままです。しかし、多数の物件を組織的に管理・運営し、それが「事業」とみなされた場合は、法人税の対象となる可能性があります。この「事業」と「個人的な投資」の境界線は、まだ判例が少なく曖昧な部分もあるため、複数の物件を運用する場合は、会計士や税務の専門家に相談し、自身の状況が法人税の対象とならないかを確認することをお勧めします。

そして、キャピタルゲインの場合と同様に、最も重要なのが居住国の税法です。日本の居住者がドバイの不動産から賃貸収入を得た場合、その収入は日本の所得税(不動産所得)の課税対象となります。ドバイでかかったサービス料や修繕費、減価償却費などを経費として計上した上で、残った利益を他の所得と合算して確定申告する必要があります。ドバイでの手取り収入がそのまま日本での手取りになるわけではない、ということを正しく理解しておく必要があります。この申告を怠ると、やはり追徴課税のリスクが生じます。特に減価償却の計算など、日本の税法に基づいた複雑な処理が必要になるため、海外不動産に詳しい税理士への相談は必須です。

相続と贈与:ドバイの非イスラム教徒向け法律

海外不動産を所有する上で、将来の相続をどうするかは非常に重要な問題です。特にドバイはイスラム法(シャリーア)が国の基本法であるため、かつては非イスラム教徒の外国人所有者の相続において、その遺産がシャリーアに基づいて分割されるという不確実性がありました。しかし、近年、ドバイ政府は外国人投資家を保護するための法整備を大きく進めており、状況は大幅に改善されています。

現在、ドバイに不動産を所有する非イスラム教徒の外国人は、自国の法律に基づいて遺産を相続させることが可能です。2023年に施行された新しい連邦民事訴訟法により、特に遺言がない場合でも、故人の本国法が自動的に適用されることになりました。これにより、シャリーア法の適用を回避し、例えば配偶者や子供に意図した通りに資産を遺すことができます。しかし、法的手続きをよりスムーズかつ確実に進めるためには、事前にドバイの裁判所またはDIFC(ドバイ国際金融センター)の裁判所で有効な遺言書(Will)を登録しておくことを強くお勧めします。

遺言書を登録しておくことで、万が一の際に、相続手続きが迅速に進み、遺産の凍結といった事態を避けることができます。DIFC Wills Service Centreでは、英語での遺言書作成と登録サービスを提供しており、多くの外国人がこれを利用しています。私たちガイア・リビングでは、お客様の必要に応じて、こうした相続手続きに詳しい弁護士をご紹介することも可能です。将来の安心のために、物件購入と同時に相続対策も検討しておくべきです。ドバイには相続税も贈与税もありません。これは大きなメリットですが、資産をスムーズに次世代に引き継ぐための法的な準備は、オーナー自身の責任で行う必要があります。

ここでもまた、日本の税法が関わってきます。被相続人(亡くなった方)または相続人(財産を受け取る方)が日本の居住者である場合、ドバイの不動産は日本の相続税の課税対象となります。日本の相続税法は、国内財産だけでなく国外財産も対象とするためです。ドバイで相続税がかからないからといって、日本でも非課税になるわけではありません。相続が発生した場合、相続人はドバイの不動産を日本の税法に基づいて評価し、他の財産と合算して相続税の申告・納税を行う義務があります。不動産の評価額の計算や、小規模宅地等の特例の適用の可否など、専門的な知識が必要となるため、国際相続に詳しい税理士への相談が不可欠です。贈与についても同様で、日本の居住者間でドバイの不動産を贈与する場合、日本の贈与税の対象となりますのでご注意ください。

日本の居住者が特に注意すべき税務上のポイント

これまでも繰り返し触れてきましたが、日本にお住まいの方がドバイ不動産に投資する上で、最も重要なのは日本の税法との関係を正しく理解することです。ドバイの税制上のメリットだけを見て投資を判断すると、後で思わぬ納税義務に直面する可能性があります。ここでは、特に注意すべきポイントをチェックリストとしてまとめてみましょう。

日本の居住者のためのドバイ不動産税務チェックリスト:

  • 全世界所得課税の原則を理解する: 日本の居住者は、国内での所得だけでなく、ドバイの不動産から生じる賃貸収入や売却益(譲渡所得)も日本で申告・納税する義務があります。
  • 確定申告を必ず行う: ドバイでの賃貸収入は「不動産所得」、売却益は「譲渡所得」として、毎年確定申告が必要です。必要な経費(ドバイでのサービス料、修繕費、管理委託費、減価償却費、購入時の諸費用など)を正確に計上し、所得を計算します。
  • 減価償却のルールに注意: 日本の税法では、2021年の税制改正により、海外中古不動産投資における「建物の減価償却費を利用した節税スキーム」が大きく制限されました。簡潔に言うと、海外中古建物の減価償却費のうち、日本の計算方法で求めた場合に生じる赤字(損失)は、他の所得(給与所得など)と損益通算できなくなりました。このルール変更により、以前のような大幅な節税効果は期待できなくなっています。投資を検討する際は、この点を踏まえた収支シミュレーションが必要です。
  • 相続・贈与も日本の税法の対象: ドバイに相続税・贈与税はなくても、被相続人または相続人(あるいは贈与者・受贈者)が日本居住者であれば、日本の相続税・贈与税の対象となります。資産の承継計画は、日本の税理士を交えて検討することが不可欠です。
  • 国外財産調書の提出義務: 年末時点で5,000万円を超える国外財産を所有する日本の居住者は、翌年3月15日までに「国外財産調書」を税務署に提出する義務があります。ドバイの不動産も当然この対象に含まれます。提出を怠るとペナルティが課される可能性があります。

これらのポイントは、どれも専門的な知識を要するものばかりです。ドバイ不動産への投資は、ドバイ現地の信頼できる不動産エージェント(私たちのような)と、日本の税法、特に国際税務に詳しい税理士の、両輪のサポートがあって初めて成功すると私は考えています。物件選びの段階から税理士に相談し、ご自身の状況に合わせたタックスプランニングを行うことを強くお勧めします。

税務戦略の基本:法人設立のメリット・デメリット

ドバイで複数の不動産を所有・運用する場合、または将来的にそうした計画がある場合、個人名義ではなく、ドバイで法人を設立してその法人名義で不動産を所有するという選択肢が浮上します。このアプローチには、税務上および法務上のメリットとデメリットがあり、慎重な検討が必要です。

法人を設立する最大のメリットの一つは、資産の保護と承継の円滑化です。個人名義の場合、万が一の際には相続手続きが必要になりますが、法人名義であれば、会社の株主が変わるだけであり、不動産そのものの所有権は法人のまま継続されます。株主の変更手続きは、個人の相続手続きに比べてシンプルで迅速な場合が多く、資産の凍結リスクを低減できます。また、複数のオーナーで不動産を共同所有する場合も、法人を通じて株式の割合を明確にすることで、管理が容易になります。

税務上の観点からは、2023年に導入された法人税が大きな検討要素となります。前述の通り、年間利益が375,000 AEDを超える活動的な事業には9%の法人税がかかります。もしあなたの不動産運用が「事業」とみなされる規模であるならば、法人を設立し、経費を適切に計上して税務申告を行う必要があります。一方で、法人を設立することで、関連する費用(法人設立・維持費用、会計監査費用など)を経費として計上できるというメリットもあります。また、日本のタックスヘイブン対策税制(CFC税制)との関係も考慮しなければなりません。日本の居住者が海外に設立した法人が特定の条件を満たす場合、その法人の所得が日本の株主の所得とみなされ、日本で合算課税される可能性があります。ドバイ法人の設立が、この税制の適用をトリガーしないか、専門家による詳細な分析が不可欠です。

一方で、法人設立にはデメリットもあります。まず、設立と維持にコストがかかります。フリーゾーンやメインランドでの法人設立には、ライセンス料、登録料、事務所の賃料などが毎年発生します。また、会計帳簿の作成と保管、そして多くの場合、会計監査が義務付けられ、そのための費用も必要です。個人名義での所有に比べて、管理が煩雑になり、ランニングコストが増加することは間違いありません。1、2件の居住用物件を長期保有し、賃貸収入を得るというシンプルな目的であれば、法人設立のコストと手間が見合わないケースがほとんどです。個人の状況、投資の規模と目的、将来の計画を総合的に判断し、個人名義と法人名義のどちらが最適かを、弁護士や会計士と相談しながら決定することが賢明です。

Key takeaway

ドバイ不動産の税務は、「ドバイでの税金はほぼないが、取引費用はかかる。そして、あなたの国の税金からは逃れられない」という二つの側面で理解することが最も重要です。ドバイの非課税メリットを享受するためには、まず自国での納税義務を誠実に果たす準備が不可欠です。この原則を理解し、現地の不動産専門家と自国の税務専門家の両方と連携することが、長期的で安心な資産形成の鍵となります。

ドバイの税制や不動産市場は常に進化しています。最新の情報を基に、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なご提案をすることが、私たちガイア・リビングの使命です。ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

Sources

Frequently asked

Questions, answered

ドバイに不動産のキャピタルゲイン税はありますか?
いいえ、ドバイには個人の不動産売却益に対するキャピタルゲイン税はありません。しかし、日本の居住者である場合、その売却益は日本の所得税法に基づき課税対象となる可能性がありますので、注意が必要です。
ドバイの不動産から得た賃貸収入に税金はかかりますか?
ドバイでは、個人が不動産から得る賃貸収入に対して所得税はかかりません。ただし、事業として不動産賃貸を行っていると見なされる場合、法人税の対象となることがあります。また、居住国での納税義務も確認する必要があります。
ドバイで不動産を購入する際、どのような税金や費用がかかりますか?
主な費用は、物件価格の4%にあたるドバイ土地局(DLD)への譲渡登記料です。その他、登記手数料、不動産仲介手数料(約2%)、住宅ローンの場合は関連費用がかかります。これらは税金というより取引にかかる必須の費用です。
ドバイに固定資産税はありますか?
日本のような毎年課税される固定資産税はありません。ただし、DEWA(ドバイ電気水道局)の請求書に含まれる「住宅費(Housing Fee)」が実質的な地方税の役割を果たしており、賃貸物件の場合は年間賃料の5%、自己所有物件の場合は評価額の0.5%が月割りで請求されます。
ドバイの不動産を相続する場合、相続税はかかりますか?
ドバイには相続税がありません。しかし、相続人が日本の居住者である場合、日本の相続税法が適用され、ドバイの不動産も相続財産として課税対象に含まれます。専門家への相談が不可欠です。
ドバイ不動産の税務について、誰に相談すればよいですか?
ドバイ側の税務については、現地の法律事務所や会計事務所に相談するのが最善です。一方、ご自身の居住国(日本など)での納税義務については、その国の税法に詳しい税理士に必ず相談してください。両国の専門家と連携することが重要です。
加藤 結衣 — portrait
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